聴診器の歴史

  • 1816年の9月13日ラエンネックは心臓の悪い若い女性を診察していた。当時、医師は患者の胸に直接耳をあてて、胸の音を聞くのが常だった。 
      しかし、患者が若い女性なのでそうすることができなかった。 そこでラエンネックは数枚の紙を丸めて、筒にして、その片方を女性の胸に、片方を自分の耳に当ててみた。すると驚いたことに、以前に、直接胸に耳を当てたときよりもはるかに明瞭に心臓の動く音が聞こえた。

    またたくまに、臨床医学界は大きく変わった。
    聴診器は単に、体の中の音を医師の耳に伝える道具ではなかった。
    客観的な証拠をもって、患者を診察する事を医師に教えてくれる道具になったのである。
    それまでは、患者の話す症状だけを頼りに病気を診断していたのである。

      伝説の伝えるところでは、ある日、ラエンネックが、聴診の問題を考えながら、ルーブルの中庭を通っていると、子供達が、長い木の棒の端に耳を当てて、仲間の一人が、反対側の木の棒の端をピンでひっかく音を聞いていた。これを見た、ラエンネックは直ちに馬車を呼び止めて、病院に帰り、美人の若い婦人の胸に、丸めたノートを当てて、聴診した。患者の病気はすぐに明らかとなり、そして、聴診器が発明された。
      ラエネックはこの聴診器にsthetoscope(sthetos胸 scopos見鏡)と名付けた。

 

一般聴診器

抗菌スコープ

リットマン聴診器

 

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